【感想】エンジニアリング組織論への招待
こんにちは、マサです!
仕事の絡みもあり「エンジニアリング組織論への招待」という書籍を読んだのですが、大変興味深い本でした。
エンジニアに限らず役立つ内容として印象に残った部分を挙げて紹介してみたいと思います。
それでは行ってみましょー。
エンジニアリングとは不確実性を減らし、確実性を増やす作業
みなさんエンジニアと聞くとどんな職業を想像されるでしょうか。
何らかの技術を用いてモノを作り出す人を想像される方が多いかと思います。
これ自体は事実ではあるのですが、あくまで手段の一つと言えます。
エンジニアにとって最も大切なことは不確実性を減らして確実性を増やし、求められているものを完成に近づけることです。
私自身としては感覚的には理解していたものの、改めて言語化されるとすっきりしました。
情報という確実性と、未来と他人からなる不確実性
不確実性を減らし確実性を増やすためにはそれぞれを正しく認識する必要があります。
確実性とは事実に基づく情報であり、不確実性とは未来と他人です。
未来はその時が来るまで誰にもわかりません。この不確実性を減らすためには実際に行動を起こし少しでも物事を進捗させるしかありません。
他人も同様、思考や抱えている情報はその人自身にしかわかりません。自分の考えやお願いしたい作業を相手に伝えたとしても、それが正確に伝わったのか、自分の期待通りのアウトプットが出るかは相手次第です。この不確実性を減らすためにはコミュニケーションの取り方を改善する他ありません。
エンジニアに限らず多くの人はこの2つの不確実性に向き合う必要があります。
しかし、不確実性に向き合う時には不安を伴うため回避したい衝動に駆られるのが難しいところですね。
人は正しく事実を認知できない
事実を認知するとは、例えば「雨が降って憂鬱な気分になる」と言った場合、雨がふっていることは事実で、憂鬱な気分になるのは人の認知です。
このケースでは雨が降っていること自体は誰にとっても明らかですが、憂鬱な気分になることは人それぞれが抱えることであるため、誰しもが憂鬱になるとは限りません。
この例は分かりやすいですが、人は様々なケースで事実と認知を曖昧にしてしまうことが知られており、これを回避するためにはどのようなケースで曖昧になりやすいのかを理解する必要があります。
これはバイアスという言葉でよく表現されます。
バイアスの例としては、嫌いな相手に対して実際は問題がないのに手際が悪いなどの不当な評価を下したり、男だから、女だから、大人だから、子供だからxxであるべきと考えてしまうなどがあります。
観測できないものは制御できない
何かを自分自身でコントロールしたいと考えたとき、それが可能な範囲は観測できるものに限られます。
例えば他人の能力や思考を直接変化させることはできません。
この人はxxができない、xxのような考え方を持っている、などは観測できるのではと思った方もいるかも知れませんが、これはあくまでその人の行動を見て認知した結果として得られたものです。
裏を返せば他人の行動は観測できるものであり、影響与えることが可能です。具体的には指示やフィードバックなどです。
このように何かを制御したいときには、対象は観測可能なのか、どうすれば観測可能となるのかを意識して考える必要があります。
大事な部分を見極めて自身の行動を改めよう
書籍自体はタイトルの通りエンジニア向けのものとなりますが、内容としてはエンジニアに限らず役に立つ考え方であると感じました。
事実を正しく捉え、分析し、自身の行動を見つめ直すことで不安を減らし、効率よく物事を進めていきましょう。
それではまた!